その胸痛、冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症もしれません
冠動脈の痙攣(けいれん)で心臓の筋肉が酸欠状態に
心臓は筋肉でできていて、心臓の筋肉に栄養を運ぶ冠動脈の通りが悪くなることで労作性狭心症を発症します。
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冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)とは、この大事な冠動脈が「痙攣(けいれん)」することで、一時的に血液の流れが止まってしまい栄養が心臓の筋肉へ届けられなくなる病気です。
冠攣縮性狭心症には、心臓の表面を走る太い血管が「痙攣」してしまうものと、心臓の筋肉の間を走る細い血管が「痙攣」してしまう冠微小血管攣縮(かんびしょうけっかんれんしゅく)、そしてその両方を併発している場合もあります。
タバコがけいれんの原因に
喫煙や飲酒などの生活習慣と冠攣縮性狭心症発症の関連が深いと言われています。
一方、冠微小血管攣縮は閉経後の女性に多いです。
冠攣縮性狭心症の症状
このような症状を感じることが多いですが、症状の表現はその人によってバラエティーに富みます。
例えば
- 胸の真ん中あたりが締め付けられる
- あごや左肩が痛い
- 肩や左腕がしびれる
- 胸の痛みが出たあと度ドキドキして力が抜ける
- 冷や汗が意識が遠のくような感覚がする
症状を感じる頻度は毎日数回感じることもあれば、数か月症状が出ないこともあったりとまちまちです。
また労作性狭心症は坂道や階段を上った時など動いた時に起こるのに対して、冠攣縮性狭心症はじっとしているときなど動いていないときに発作を起こしやすい特徴があります。
治療は狭心症発作を予防する薬と発作が起きたときにはニトログリセリン
血圧を下げる内服の一種や血管を拡げる血管拡張薬がこの「痙攣」を予防する効果があります。狭心症発作の頻度が多い方はこのような薬を服用することで症状を減らすことが出来ます。
また、発作が起こってしまった場合には労作性狭心症同様ニトログリセリンの舌下が効果的ですので、万が一に備えて普段から携行しておきましょう。
正しいニトログリセリンの使用法はこちらをご覧ください。
注意しなくてはいけないことは、太い血管が「痙攣」する冠攣縮性狭心症を発症した場合、まれにその影響で危険な不整脈発作がみられ、心停止に繋がるリスクがあります。
もしこのような重篤な不整脈を合併したことがある方は安全策として植込み型除細動器という機械をペースメーカーのように体内に植え込むことがあります。
冠攣縮性狭心症と関わりの深い日常生活(タバコ、お酒、寝不足、ストレス)に注意して、なるべく狭心症発作のない日常生活を送れるように注意していきましょう。