睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?
睡眠時無呼吸症候群の症状と診断
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に呼吸が止まる、または浅く、弱くなる病気です。
一般的に1時間に10秒以上の無呼吸・低呼吸(浅い呼吸)が何回あるかで重症度が表され、睡眠中に平均して1時間に5回以上の無呼吸・低呼吸があると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
睡眠時無呼吸症候群の主な症状
- いびきがひどい
- 睡眠中に呼吸がとまる(家族に指摘される方が多い)
- 夜中に何度もトイレに起きる
- うつな気分が続いている
- 起床時に頭痛や頭が重い感じがする
- 起床時に疲れを感じる
- 昼間に強い眠気やだるさがある
- 居眠りで交通事故を起こしかけた
睡眠時無呼吸症候群の原因は様々ですが、肥満やあごの大きさ、飲酒、睡眠薬、鼻炎、扁桃が大きい、脳卒中や心不全の既往があるなどがあります。
また、自覚症状がなく、一緒に住んでいる家族からいびきなどの指摘を受けて受診される方も多くおられます。
睡眠時無呼吸症候群を合併している方の割合はかなり多い
高血圧や糖尿病、心臓病や血管疾患を持っている方の多くに軽症以上の睡眠時無呼吸症候群が併発していると言われています。
睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に酸素が不足する状態になるため、夜間の交感神経活動が亢進し、さらに高血圧や不整脈などを引き起こしてしまうリスクが高まります。
中でも薬を服用していても降圧効果の乏しい治療抵抗性の高血圧や糖尿病、心房細動は8割以上の合併頻度のため
これらの病気で内服などの治療をしていても病気が改善しない場合は、知らずに睡眠時無呼吸症候群を併発し病気の足を引っ張っている可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群のセルフチェック
もしかしたら睡眠時無呼吸症候群があるかも…と思う方はセルフチェックを行ってみましょう。
質問は全部で7つ、合計が3点以上の方は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いです。
セルフチェック:【】内は当てはまるときの点数
- しょっちゅういびきをかく【1.5】
- 肥満傾向がある(BMI:25以上)【1.5】
- 高血圧がある(高血圧の薬を飲んでいる)【1.5】
- 寝つきは悪くないが夜間の眠りが浅い。またはしばしば目が覚める(トイレに起きる場合も含まれます)【1】
- いくら寝ても朝疲れが取れていない感じがする、もしくは朝しばしば頭痛がする【1】
- お酒を飲んでいない日でも、夜間寝ているときに息が止まる日がある【3】
当院でも検査や診断は可能ですので、セルフチェックで3点以上の方はご受診をお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群の検査
検査をする施設によって多少方法が変わると思いますが当院での検査の流れをご紹介します。
検査は自宅で行います。
まず、受診時に簡易検査のお申込用紙へ基本情報(氏名、住所、生年月日、既往歴など)の記載をしていただきます。
帰宅後数日以内に睡眠時無呼吸症候群の検査キットを送ってくれる業者から連絡が入りますので、そこで検査する日程をご相談ください。
普段通りに眠れる日でないとうまく検査が実施できないことがあるため、出張や飲み会など予定のある日は避けましょう。
寝る前に必要な器具を装着して普段通りに寝ます。
検査が済みましたら検査キットを業者へ郵送します。
郵送後10日~2週間程度で解析結果が出ますので、そのころ当院を受診していただきます。
睡眠時無呼吸症候群の治療
まずは日常生活の改善が必要です。
多くの方はBMI:25以上の肥満である場合が多いため、ダイエットを成功させると睡眠時無呼吸症候群が改善されます。
また習慣的に飲酒をする方であれば節酒(飲酒量は1合以内、週2回は休肝日を作る)も効果的です。
「ダイエットや節酒など今まで何度も挑戦したけれどなかなか上手くいかない…」という方は
ぜひ当院の分院、ふじみ野メディカルフィットネスをご利用ください。
看護師、理学療法士、管理栄養士、健康運動指導士があなたの持病や健康状態や習慣に合わせて
無理なく目標達成できるプログラムを提供します。
睡眠時無呼吸症候群の検査で重症と診断された場合は持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行うことがあります。
寝るときにCPAPを装着すると、装置から圧力をかけた空気が気道(空気の通り道)に送り込まれ、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。
検査結果によりCPAPの適応となれば、医療保険が適用でき、月に一度通院しながら適正な設定の調整を継続して行っていきます。