180越えでも無症状⁈【サイレントキラー:高血圧】
血圧の正常値
正常血圧は診察室での測定で120以下/80以下
自宅で測定した血圧値なら115以下/75以下です。
思っているよりも血圧の正常値は低めと感じられる方が多いかもしれません。
この正常値、どのようにしてこの値に決められているかというと
血圧別にどんな病気にかかるかや死因を調査した結果、心筋梗塞や脳梗塞での死亡率がぐんと上がる血圧値が140/90mmHg以上だったためです。
それに比べ血圧120/80mmHg未満の人は心筋梗塞や脳梗塞での死亡率が最も低い結果でした。
ということは140/90くらいの血圧だからまだまだ大丈夫…ではなく、心筋梗塞や脳梗塞になる可能性が高いということです。
血圧=血管の壁にかかっている負担の程度
そもそも血圧っていったい何かというと、心臓から送り出される血液の勢いです。
心臓はポンプのように1日約10万回も収縮し、血液を全身へ送り出しています。
この途方もない数送り出され続ける血液を毎回受け止めているのが動脈です。
例えば上の血圧160がどのくらいの力かというと、血液を2m程度の高さまで吹き上げるほどの圧力になります。
1日10万回、それを数十年の長きに渡って受け止め続けた血管が傷ついてしまうのは容易に想像がつくと思います。強い圧を受け続けた血管の壁はそれに耐えるために固く、厚くなっていきます。これが動脈硬化です。
高い血圧をほうっておくと起こる怖い病気
血圧が180を超えていても、高い血圧を数十年に渡って放置していてもほとんどの方は症状がありません。
しかし症状がないから大丈夫なのではなく、逆に症状がないからこそ気づくのが遅れてしまう、怖い病気。それが高血圧です。
症状がないからと放置し続け、血圧が高いことに向き合わざるを得なくなる時、それは心筋梗塞や脳梗塞になってしまった後です。あの時から注意していればと後悔しても心臓や脳に負ったダメージはなかったことにはなりません。
血圧が高い現状を受け入れたくないという気持ちはとてもわかります。
しかしその先の怖い病気にならないために、少しだけ勇気を出して自分の体調と向き合ってみませんか。明日も元気で過ごすために今日からでもできることを患者さんとともに考えていきたいと思っています。
元気な日々を過ごしていくために、今からできることを一緒に考え、当院の存在が少しでも皆様の健康の役に立つことができたら幸いです。
自分の体調と向き合うための家庭血圧測定
診察室で血圧測ってもらっているから大丈夫!とはならないのが血圧測定。
家庭での血圧と医療機関での血圧に差があるとき、優先されるのは家庭で測定した血圧です。
1日10万回のうち、診察室でのたった月に1回の血圧が分かったところでそれ以外の日がどのように推移しているかは誰にもわかりません。大事なの毎日の血圧がだいたいどのくらいかを知ることです。
しかも毎日測ればいつでもどのタイミングでもいいかというと、そういうわけにはいきません。
心筋梗塞や脳梗塞になりやすい方は朝起きぬけの血圧が高いことが多いです。
ということは、早朝血圧が高いかどうかを知り、もし高ければ下げるような工夫をすると怖い病気になるリスクを防ぐことがます。
そこでおススメしたいのが家庭血圧測定の習慣です。
詳しい測定方法についてはこちらをご参照ください。
ご家庭で測定した血圧を診察室で見せてもらえることを楽しみにしています。