労作性狭心症ってどんな病気?かかりやすい人の特徴がわかれば予防できる
労作性狭心症とは心臓が酸欠になってしまう病気
階段や坂道を駆け上がると息が上がり呼吸が苦しくなります。
これは体の筋肉を動かすために必要な栄養=酸素の量が足りなくなるために、たくさん呼吸して体の筋肉に酸素を取り込もうとするからです。
では1日休まず10万回もポンプのように伸びたり縮んだりして血液を送り出している心臓は何でできているでしょう。
心臓は筋肉でできています。
ということは心臓もその他の細胞や体の筋肉と同様に働くために酸素が必要です。心臓の筋肉に酸素を配給するための血管、それが冠動脈です。
この冠動脈が細くなってしまい、必要な酸素が十分に心臓の筋肉へ届けられなくなってしまう病気が労作性狭心症です。
冠動脈が細くなる理由は動脈硬化
年を重ねるごとに動脈硬化は少しずつ進みますが、そのスピードを加速させてしまう原因がメタボリック症候群といわれるような複数の生活習慣病を持っている状態です。
これらの病気などに身に覚えのある方は労作性狭心症予備軍です。
しかし、これらの生活習慣病がある方が必ず労作性狭心症になるわけではありません。
では、どういう人がなりやすいかというと、タバコを吸う方、血圧・血糖・LDLコレステロールや中性脂肪が高い状態を長らく放置している方が労作性狭心症になる可能性の高い方です。
生活習慣病をお持ちであっても、食事や運動、服薬、禁煙をすることで労作性狭心症にならずに元気で暮らすことができます。
労作性狭心症の症状
実際にこれらの症状を感じたときに、
『これは労作性狭心症の症状だ!』と確信を持つことはとても難しいです。
症状を感じつつも半信半疑でなかなか受診に来られず、限界まで痛みや息苦しさを我慢した挙句、家族や職場の同僚が救急車を呼ぶ…なんて方も割と多くおられます。
動くと胸苦しいなどもしかしてと思ったら、早めに病院を受診してください。
もし労作性狭心症でなければ「なんでもなくてよかったね」で済みますが、万が一狭心発作だった場合、受診するかのどうかの判断がこれからの人生の大きな分かれ道になってしまいます。
早めの受診とニトログリセリンで心筋のダメージを未然に防ぐ
心臓の筋肉は手足の筋肉と性質が違います。
手足の筋肉は筋トレで鍛えられ、筋力をパワーアップできますが心臓の筋肉を鍛えることはできません。
それどころか心臓の筋肉への血流が途絶えると、その部分の筋肉は死んでしまい(壊死)一生動かなくなってしまいます。
労作性狭心症にならないことが1番ですが、万が一狭心発作を起こしてしまったときは心臓の筋肉が障害を受ける前に治療を受けることで最悪の事態=心臓の筋肉の壊死を防ぐことができます。
そしてもう一つの強い味方がニトログリセリンです。
このお薬は狭くなった冠動脈を一時的に広げる効果があります。
知っておきたいニトログリセリンの使い方はこちらをご覧ください。
ニトログリセリンはあくまで応急処置です。月1回だった頻度が週2~3回は使うようになったなど使う回数が頻繁になっているときや、2回使っても症状が治まらないときは迷わず受診しましょう。