高血圧と睡眠時無呼吸症候群
薬を飲んでも血圧が下がらない?
高血圧は一次性高血圧と二次性高血圧に分類されます。
一次性高血圧は「本態性高血圧」とも呼ばれます。
大きな要因として遺伝が関係していると考えられますが、その他の要因としては以下のものが考えられます。
主な要因
- 塩分の過剰摂取
- 肥満
- 疲労やストレス
二次性高血圧
また、二次性高血圧は高血圧となる原因が存在するものです。
二次性高血圧は高血圧全体の約1割と言われていますが、薬を飲んでも血圧が思うように下がらない場合は二次性高血圧の可能性があります。
原因として以下のものが考えられます。
主な要因
- ホルモンの分泌異常
- 腎臓の疾患
- 動脈の炎症
- 睡眠時無呼吸症候群
二次性高血圧と睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に何回も呼吸が停止し、熟睡が出来ない病気で、テレビや雑誌等のメディアでも最近注目されています。
本来では眠くならない大事な時間であっても強い眠気に襲われたり、居眠りしてしまうなど社会的に大きな損失を与える病気です。
また、さまざまな合併症を引き起こし、特に高血圧は合併率が高く、日本人の高血圧患者のおよそ10%はSASを合併しているという報告があります
問題となる点は、SASと高血圧は単なる合併ではなくSASが二次性高血圧の原因疾患のひとつということです。
SASを有する場合の高血圧
睡眠時無呼吸症候群の場合、夜間に呼吸が停止するために交感神経が常に活性化しているので夜間の血圧値が高くなっていることがあります。
夜間の高血圧は早朝へ持続する傾向があり、起床後に血圧を測定した際の値が高い場合には睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
どのような検査をするの?
まず簡単な問診を行い、睡眠呼吸障害の検査の必要性を認めた場合、簡易型検査装置によるスクリーニング検査を行います。この検査は、鼻口の呼吸、いびき、血液中の酸素濃度を記録し、無呼吸や低呼吸の状態を調べます。
もし睡眠時無呼吸だったら...
睡眠時無呼吸症が軽症の場合は、減量や生活習慣の改善で症状が改善することもあります。もし中等度以上の睡眠時無呼吸症の場合にはCPAPという治療装置を使って治療を行います。CPAPは睡眠中に無呼吸が起こらないようにする装置で睡眠の質を向上させ、夜間の高血圧を低下させる働きもあります。